先週末、久しぶりに舞踏を見てきました。
「金柑少年」といってピンとくる人は、僕から上の世代でしょうか?
天児牛大(あまがつうしお)が主宰する山海塾の「金柑少年」の初演は28年前のこと。当時、天児は弱冠28歳でした。
全身白塗りで、一言も発する事なく、言語化しにくい人間の複雑な感情や情念のようなものを表現していくスタイルは、当時、日本では受け入れられなかったり、その表面的な容姿だけが取りだたされていたように思います。
そのためか、1982年以降は海外での評価の方が高くなり、山海塾の活動の拠点もパリへ移って行きました。僕も実際に公演をはじめて見たのはアメリカでした。
天児の体力の限界を理由に上演が封印されていた「金柑少年」。再演を望む声に押されて2005年に若手舞踏家に受け継がれ、リクリエーションされました。
舞踏のことは全くの素人なので、どう表現してよいかわかりませんが、声も出さずに身体ひとつでその場の空気を自在に操り、人の心に忍び込み、喜びや悲しみといった単純なものではない「焦燥感」、「エロティシズム」、「絶望感」といった感情を呼び起こさせる、そんな行為に驚きと感動を覚えました。
4月末に違う公演が行われるようなので、また是非行こうと思っています。
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