お盆休みも終わり、本日より通常業務に戻りました。
その間、沖縄で施工中であった現場から足場解体の写真が送られてきました。
沖縄では台風とシロアリのため、90%以上がRC造の建築で、今では木造はほとんどありません。
しかしながら、昔は木造建築が沢山あり、現存する古い木造建築を訪れるとひんやりとして気持ちが良いのです。
確かに台風対策や防蟻という点ではRC造は有利かも知れませんが、湿度や温度調整という観点では、沖縄の気候には木造が適しています。
そこで適材適所に木造とRC造をハイブリッドした構造体にしました。
シロアリが付き易い地上1mまではRC造の立ち上がりとして、その上にシロアリが嫌う杉の赤太を集めた集成材ブロックを積み上げる「積み木工法」にしています。更にその上にRC造のスラブが直に載っています。
木造にRCスラブが載っているというと建築の専門家でも驚くと思いますが、積み木工法は無垢の壁なので、壁全てが柱と見立てることができます。
在来工法の瓦屋根2階建て建築の土台に掛かる柱1本分の集中荷重と、屋根スラブがRC造で平屋建て建築の一番下の積み木に掛かる柱1本分の面積辺りの集中荷重はあまり変わらないので、このようなことが可能なのです。
そうは言っても、木とRCの接合部の納まり、コンクリートのノロが木部に染み出ない養生、養生期間中にスラブが下がらない工夫、2本ある鉄骨柱との納まりなど、難題が沢山ありましたが、やっと足場解体までこぎ着け、その姿は感動ものです。
沖縄は旧盆なので今日からお盆休みに入りますが、現場関係者のみなさん、暫しの休日を満喫してください。