今日は午前と午後に2組の建て主さんと打ち合わせをしました。
両方とも昨年末に上棟し、3月の竣工を目指しています。ですので、仕上げや家具など細かい部分を1〜2週間おきに打ち合わせをしています。
まずは午前9時半から横浜事務所で「大倉山の住宅」の建て主さんと。
既にいろいろな決めごとは打ち合わせ済みでしたが、それでもまだまだ細かい部分が残っています。
打ち合わせの後は、一緒に現場に行きました。手摺壁の高さとか、図面ではわからない部分を、現場でスケール感などを見て頂きながら決めました。そういった身体感覚は、やはり現場でしか確認できません。
土地は23坪と狭小地の部類に入りますが、構造の
名和さんと検討し、木造でありながら室内に構造壁を設けず、吹抜部分に火打やブレースはもちろんのこと、梁さえも入れずに大空間を生み出しました。
その空間は、外部に現れる斜めの壁や袖壁で構造壁をとり、庇やバルコニーで水平剛性を負担させるというアイディアから生まれました。この方法は都心の長細い狭小地ではとても有効で、ありそうでなかった構法だと思ってます。
午後からは「D House」の建て主さんのご自宅にお邪魔しました。やはりこちらも仕上げや家具、照明など細かい部分の図面を作成し、それを元に打ち合わせをしました。細かい部分でも出来る限り事前にご説明して、ご理解を頂くことが大切です。
この住宅はご主人が音楽関係の方なので、音楽スタジオがあります。敷地は閑静な住宅街なので、このスタジオをRC造にして防音性を高め、その周りに諸室を配置することによって、建築的にも周辺への防音対策を行っています。
このRC造に周りの木造部分(住宅)を寄りそわせて水平力を負担させているので、外周以外にはほとんど構造壁がありません。スタジオの周りに部屋と中庭を交互に配置しているので、全ての部屋は4つの中庭のどれかに面し、その部分には構造壁を入れずに開放したいということで、この案が出てきました。
スタジオやリビングなどは天井高さが欲しく、逆に浴室や倉庫等は低くて良いので、必要な高さに合わせて天井高さを決めました。それが屋根面で段差をつくり、高低差のある楽しい屋上テラスを生み出しています。普通は水平剛性を屋根面で取るので、屋根や床に段差を取ると構造的には大変になりますが、各部屋の屋根面は、中央のRC造に水平力を負担させているので、それぞれのレベルで接続しても、つまり段差が沢山ついても問題ないわけです。この住宅も構造は名和さんです。
現場には棟梁力作の模型がありました。構造が複雑だったので、棟梁自ら模型をつくって理解し、それを大工さん達に伝えるためにつくったそうです。それにしても凄い精度で脱帽です。
すでに楽しそうな屋上テラスの輪郭が見えてきています。
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