建築アトリエ事務所の就職には基本的に時期はありませんが、卒業設計や修士論文が終わった3〜4月が多くなります。
今年も全国、様々な大学生・大学院生約10人くらいの方から、就職希望のメール、電話、手紙などを頂きました。
昨年、スタッフ2名、研修生1名の採用をしたため、今年は雇用の予定はしていませんでしたが、出会いのタイミングというのもありますから、本当に良い方は随時採用したいという気持ちもあります。
しかし、最近、インターネットが普及したため、HPの閲覧も簡単にでき、Eメールの気軽さから、とても就職希望とは思えない礼儀の文章が送られてきます。勝手にメールを送付してきて、しばらく返事ができないと、面接の希望日を指定してきた方。後日、時間をつくってお会いすると申し上げたのに、自分の都合ばかりで再三、メールや電話をしてくる方。
昔は何度も手紙を書き直したり、先生や先輩に内容を見てもらったり、相手に失礼がないように連絡する時間に気を遣ったり、所員の方に所長のタイミングの良い時間を教えてもらったり、とにかく気を配ったものですが、最近はそのような方は皆無の状態です。これはEメールの弊害かも知れません。
今のスタッフは全員、その辺りの気づき気配りができていた方を採用しています。建築の設計はデザイン能力の前に、どれだけ相手の立場になって考えられるか、気づき気配りが絶対条件のように思います。
就職活動をされている学生さんも必死かと思いますが、礼儀の出来ていないメールを送ってくる時点で、その方の姿勢が垣間見れてしまいます。
本当に大切なことは、いくらデジタルな社会になったとしても、そう変わらないと思います。むしろ、デジタルな世の中、情報化社会、コミュニケーション技術が進むほど、礼儀やモラル、気配りや思いやりなどが逆に重要になってくるのかも知れません。
いくらデジタルな世の中でも相手は生身の人間です。建築家はその人間と向き合って、様々なことを語り、深く関わって、建築を実現して行きます。そこではアナログな部分は決して切り捨てることができない気がします。
design&art系ブログランキングへ投票