先週、お電話を頂き、今日はじめてお会いしました。
現在、公立の病院にお勤めで、独立し、医院を新築する予定だそうです。医療コンサルタントの方から紹介があった設計者では満足できずに、ご自身で探されています。当事務所のことはHPでお知りになり、ブログも読んで頂いているそうで、とても有り難いお話しです。
少し堅かった事務所紹介のお話しでスタートしましたが、後半はとても和やかなお話しができました。その中で現在、他に2社と面談をしていることも教えて頂けました。
当事務所は、ご依頼があった場合、最初の案を提案するまで、設計契約は致しません。施主と建築家の出会いはお見合いみたいなものですから、最初の提案をしたときに、「この設計者で大丈夫か」、あるいは設計者も「この方と一緒にやっていけそうか」平等に判断をします。もし、やって行けそうであれば設計監理業務委託契約を結び、駄目であれば提案料を頂いて精算します。提案料は、住宅や個人病院の場合は10万円としていますが、我々としてはその3倍以上の労力を費やしています。しかし、気に入らなければ、建て主さんには価値が0というものかも知れません。お互いがぎりぎり納得できそうな線で、価格を決めています。
今回、他の2社は無料で提案すると言っているそうです。おそらくそのような事務所は多いと思います。しかし、それは本当に無料なのでしょうか。ハウスメーカーは提案を無料としてますが、誰もタダで働いている人はいません。つまり、その費用はご成約頂いたお客さんから間接的にもらっていることになります。設計事務所でも基本的に同じです。また、自分の余暇の時間を使ったとしても、無料の仕事に対する労力と情熱のかけ方は全く違います。また、違った見方をすると、お金を払って提案をしてもらう場合は、見る方も真剣です。それなりの提案でなければ納得できません。無料であれば、見る方の真剣度も落ちます。
当事務所は、全てのプロジェクトに全身全霊を傾ける方針ですので、無料の提案はしませんし、基本的にコンペにも参加しません。それでも、多くの方々に待って頂いてでも、設計のご依頼が後を絶たないのは、その真剣さがあるからだと理解し、感謝しております。その期待を裏切らないように、これからもこの姿勢を貫いて行きたいと思います。
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