「日田の住宅」で漆喰を高圧でプレスしたライミックスという建材を使用するため工場見学に行きました。
田川はその昔、石炭、鉄鉱石、その他にも銅などが豊富に採れて栄えた街です。
その川下の八幡に旧八幡製鉄所(現新日鐵)ができて、日本の近代化を支えました。
現在も田川では、漆喰の主原料となる消石灰(水酸化カルシウム)が豊富に採れます。田川産業は日本で最初に既調合漆喰を販売し、現在も漆喰のシェアは業界一だそうです。
その漆喰を1平方センチ辺り1tの圧力でプレスしたタイル状の建材がライミックスで、焼かないのでタイルより環境負荷が少なく、割って土にまけば自然に還ります。
かなりエコな商品ですが、欠点は普通のタイルに見えてしまうこと。
今回は漆喰の良さを残した質感を出すために、製造工程から見せて頂き、新たな素材感を検討しています。
漆喰工場の中は、長い年月を掛けて積もった消石灰で神秘的な風景でした。
消石灰を天日干しする昔ながらのやり方は、現在では田川産業さんだけらしく、その櫓のような建築はとても美しかったです。
今日は夏日でしたが、中に入ると鍾乳洞のような涼しさ。消石灰に冷却効果があり、ラジエターのように配置されているからでしょうか。暑い日はここで昼寝したいです。
田川産業の漆喰は大阪城や姫路城にも使われているそうです。
これがライミックスを製造するプレス機。製造工程を実演してもらいましたが、ジャイアントロボのようです。
今日は工場&機械萌え。
肝心の新しい質感のライミックスの方向性も見えてきて、サンプルの製作をお願いしました。
とても楽しみです。