今日は建主さんに、名古屋から小倉事務所にお越し頂き、ファーストプレゼンテーションを行いました。
50歳代の建主さんと70歳代のお母さんの二世帯住宅。
別々に生活してから数十年が経過し、お母さんの年齢を踏まえ、今後の生活を共にすることを決断されました。
敷地には生家と自営業の酒屋さん。現在もお母さんが仕事と生活を続けられています。
個人的な事情のように思えますが、実は現代社会が抱えている多くの課題を持ったプロジェクトのように感じています。
少子高齢化、介護問題、プライバシーとコミュニケーション、そして終の住処の在り方、本当に様々な問題が混在しています。
自分自身も長男で家を出ているので、とても他人事のように思えません。
設計条件として、二世帯住宅を新築で敷地内につくるのか、増築として子世帯住宅をつくり、母屋の店舗とお母さんの住宅は、最低限のリフォームで、環境をあまり変えずにするのか、建主さんも迷われていました。
そこで、こちらとしては上記の二案の提案を作り、今後の5年、10年、20年、30年を踏まえたお話しをさせて頂きました。
それでも迷いますよね。自分の親がどれくらいのスピードで歳をとっていくのか、どんな生活が待っているのか、なかなか正確に想像などできません。
提案した二案は、いずれも将来をある程度想定しながらも、柔軟性を持たせ、考えられる変化に対応できるようにしたつもりです。
良い方法に進む事を願っています。
そして中日ドラゴンズ一筋37年の身としては、「名古屋の住宅」ではなく、地名でプロジェクト名をつけられるくらい、東海地方でも仕事が増える事も願っています。