毎年、いろいろなデザイン、流行などが生み出されますが、時間を超えてその輝きを失わないものがあります。その違いは何なのでしょうか。
クライアントであるクラシックのピアニストの方とお話ししたときに、音楽と建築の類似点についてお話ししました。その方はよく「音楽」を「建築」に例えて講義をされるそうです。実はかなり意外でした。建築ほど遅いメディアはないと思っていた私は、音楽の即興性、瞬間的に人を引きつける魅力、そしてはかなさに嫉妬さえ覚えてしまうほど憧れとコンプレックスを持っていたからです。
その方によると、いつまでも色あせない音楽は、構造がしっかりしているそうです。
「何事にも王道があり、それを理解してから、少しでも個性が出せるようになったらやっと一人前に近づける。コードを簡単に組み合わせて、それをちょっとアレンジしたような音楽はすぐに飽きられてしまう。そう言った意味では、ポピュラーソングではサザンオールスターズと山下達郎はしっかりしているから、十年前の曲を聴いても、その良さが変わらない」とおっしゃっていました。納得です。
話は飛びますが、先日、初代CITYのカブリオレを見かけ、思わず写真を撮りました。
マーチ、フィット、ヴィッツあるいはスマートなど小型車ブームの先駆け的存在です。「街をきびきび走るおしゃれな小型車」というコンセプトは、当時非常に斬新でした。おまけに小さな荷台に積まれるスクーターという提案にも驚かされました。デザインからコマーシャルまで、全てにこだわった骨太なトータルコンセプトがこの名車を生み出したのでしょう。
私も時代を超えて輝き続ける建築を目指して行きたいと思います。
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