今日は午前中、小雨交じりの中、「東二島のトンネルハウス」の地鎮祭が行われた。
建主さんご夫婦、工務店、そして担当スタッフ二人と共に参列した。読んで字のごとく建物を建てるにあたり、神様にお断りをして「地を鎮める儀式」である。英語では「Ground Breaking Ceremony」と言い、「地を切り開く儀式」となるが、近いようで全く逆の表現である。前日の大雨で天候が心配されたが、小雨でそれほど暑くもなく、かえって良い気候であった。まさに、雨降って地固まるである。
地鎮祭は何度しても神聖な気持ちになり、これから無事に建物を完成させなければいけない責任感を噛みしめる。その後、建主さんと工務店とともに近隣挨拶をすませた。
午後は「鉄竜タウンハウス」の打ち合わせ。施主は新日本ホームズ、構造は新日本製鐵が開発したニッテツスーパーフレーム(薄肉軽量鉄骨造)を採用している。一戸建ての住宅を土地込みで2500万円で24戸販売する予定だ。構造的制約、コスト、時間的リミットなど、通常、我々が設計している戸建住宅とは違い、様々な課題が山積みではあるが、新しいことにチャレンジする喜びや期待もある。
夕方から「東二島のトンネルハウス」の工事契約を施工会社で行った。この工務店は、大工さんがたたき上げで築いた会社で、自社に大工さんや土工さんも抱えている。神社仏閣もやるため、社長自ら海外に木材を買い付けにいく。屋根がある倉庫には、約40棟は戸建て住宅が建とうかという材木が、通気良くきれいにストックされている。鉄筋も自社で加工し、仮設や重機も所有しているため、質を落とさずリーズナブルなコストで施工することができる。当事務所でも何件かお願いしている。契約の後、社長さんの計らいで、一席設けて頂いた。庭には、大工さんが自慢の腕を振るった茶室もあり、それを拝見しながら宴は盛り上がっていった。多少、緊張されていた建主さんも、工務店の姿勢をご理解頂き安心されたようであった。やはり建築は人と人との関係で成り立っているものである。心の繋がりが良い建築を生む出していくのである。再び心を引き締め、精進して行きたいと決意した。