ある構造家のための二世帯住宅+オフィスの提案をしました。
敷地は4mを少し切る幅の道路に面するウナギの寝床のような敷地。
構造家としては構造的に特徴のある建築を、奥様は中庭を中心とした、プライバシーを守りつつも開放的な空間を望まれています。
来客や路上駐車のできない周辺環境を考えると、必然的に1階はピロティ形式となり、玄関や動線以外は駐車場となりました。
上階では、幅がない敷地なので室内に構造的な要素が出てくると機能的な問題が生じる上、1〜3階が用途的に分断されているので、何か特徴的な構造体が3層突き抜けていても、それは室内からも外からも一望することはできません。
そこで機能的に導かれた門型の外壁一部を折り曲げた構造体としました。
門型ラーメン構造は、構造の基礎ですが、部材を大きくしてラーメン構造として解くか、ブレースを入れて解くかの2通りが一般的です。この案では、折り曲げた鉄板が面外方向にも応力を持つので6mmくらいの鉄板でも十分に耐力を持ち、それが機能面に影響を及ぼさずに、外からも中からも特徴的な構造デザインになるという案を提案しました。
構造家からは一応成立すると回答を頂きましたが、彼も他にアイディアがあるらしく、次回それを提示してもらうことになりました。
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